HOME > アンケートに基づく「新聞奨学生の実態」を徹底調査
アンケートに基づく「新聞奨学生の実態」を徹底調査
新聞奨学生をご存じですか?新聞社が学費の一部または全額を負担する奨学金制度を利用して、在学中に新聞配達業務を行う学生のことです。
どんな制度でも、メリットとデメリットがあるものです。また、事前に得た情報と実際が異なっていたと感じることもあるかと思います。
そこで、実際に新聞奨学生の経験を持つ4名の方に、新聞奨学生に関するアンケートを実施しましたので、その結果についてご紹介します。
新聞奨学生制度を知りたい方や利用してみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
まず、実際に新聞奨学生になってみて、事前に見たパンフレットや人から聞いていた内容と違っていたことはあったのでしょうか?
アンケートの結果を見ると、総合的には事前の情報との違いはほとんどなかったと言ってよいでしょう。
- 「主な業務内容や福利厚生等、事前に聞いていたこと、調べていた事とあまり違いはなかった。」(S.Y.さん)
- 「最初はきつく感じましたが、次第にそれも慣れ、就業前と違うことも特にありませんでした。」(N.K.さん)
ただ、勤める営業所によってはパンフレットと多少異なることもあるようです。住居の設備などが異なっていた、業務内容が思ったより多かった、実質の給料がやや少なかったなどが、異なる点として挙げられていました。
また、サークル活動や合コンなどへの参加は難しく、友人もあまりできなかった点で、学生生活を「エンジョイする」というわけにいかなかったという声もありました。
では、新聞奨学生を経験して辛いと思ったことはどんなことでしょうか?
共通していたのは、朝刊の配達のために早朝、まだ人が眠っている時間に起きなければならないことが辛かったということです。
次第に慣れていったとのことですが、授業中に眠くなるなど学業との両立にはやはり大変さが伴うようです。新聞奨学生をしながら学業を全うするには、かなりの自律や意志が必要なのかもしれません。
- 「朝2時から起きていたため、授業中はほとんど居眠りだった。」(T.K.さん)
また、夏の暑さや冬の寒さが厳しかった点や、雨の日の配達には気を使ったことなど、天候や気候による大変さもあるようです。
逆に、新聞奨学生を経験して良かったことは何でしょうか?
何よりまず、金銭的に自立できたこと、学校を卒業する時点である程度の貯蓄をできたことなど、経済的なメリットが挙げられました。
また、新聞配達は毎日、決まった時間に配らなければならないので、習慣づけができたという声があります。
規則正しい生活を送る基礎ができたということでしょう。また、配達や集金でお客様と接することで、人との接し方や言葉遣いなどの社会に出て役に立つマナーが身についたり、お客様から配達へのねぎらいや激励を受けて嬉しかったりしたことも挙げられています。
どんなアルバイトでも、社会に出て役に立つマナーを身につけることはできるでしょう。しかし、新聞奨学生の苦労は、他のアルバイトとは日々の生活など異なる面も多く、同年代の人より精神力がとても鍛えられたという声があります。社会人になっても通用する精神的な強さや度胸を身に着けることができることは、新聞奨学生のメリットと言ってよいでしょう。
次に、新聞奨学生を経験した先輩から、これから新聞奨学生になることを考えている後輩へのメッセージをご紹介します。
やはり学業との両立には、他のアルバイトをするよりも強い意志が必要ということですが、両立することは以後の自信につながり、社会に出てから役に立つ「武器」になるとも言えるでしょう。
「社会の公器」「社会の木鐸」と言われる新聞を配ることで、政治や社会情勢などを市民に伝えるという社会への貢献を担い、学生時代から社会人としての意識が芽生えることは素晴らしい経験と言えるでしょう。
どんな経験であれ、学生時代に経験したことは一生の宝物になるでしょう。しかし、苦労も多い新聞奨学生の経験の重みはいっそう大きなものとなるでしょう。幅広い人脈を形成できるということは、社会に出てからの職場以外でのネットワークを持つことができるという意味で、大きな強みになるのではないでしょうか。
住まいが提供されて給料も出る新聞奨学生制度を利用することは、親に頼ることなく経済的に自立でき、さらに卒業時にある程度の貯蓄を形成することができるなど、通常の学生生活を送るより有利な面があります。このことは、現在の経済情勢では、社会に出てスタートを切る時点で奨学金という数百万の借金を背負う形になる人も多いことを考えると、大きなメリットでしょう。
また、特殊な生活リズムで生活することや、社会情勢を伝える新聞に接すること、集金などで人と接する場合のマナーを学べることなどのメリットもあり、仕事の大変さに対しても得ることは多いと言えます。
多くのメリットがあるものの、その分、大変さもあるので、これから新聞奨学生制度を利用しようと考えている人は、パンフレットなどをよく読んで、福利厚生や就業条件など疑問があれば、必ず質問をしましょう。些細な疑問でもきちんと解消して、自分で納得してから応募すれば、きっと有意義な学生生活を送り、貴重な経験を積むことができるでしょう。